国立大学法人神戸大学 大学教育推進機構 国際コミュニケーションセンター コンテンツ研究部門の業務ブログです。当部門では,大学の外国語教育における教授内容・教授法・評価法等に関わる基礎研究を担当しております。本ページ記載の内容についてのお問い合わせは,下記担当宛にお願い申し上げます。 コンテンツ研究部門 石川慎一郎 iskwshin@gmail.com
2012年8月25日土曜日
2012年8月2日木曜日
2012.8.2 他大学の英語科目評価状況について
コンテンツ研究部門では,英語科目の評価の在り方について調査研究を行っています。全国の大学は,英語科目の評価のアカウンタビリティの向上をめざし,さまざまな取り組みを行っておられるところですが,注目すべき事例としては,たとえば茨城大学の改革例があります。
茨城大学では,従来の英語教育の見直しを行った中で,下記の問題点を指摘しています。
「例えば同じ英語のICクラスであっても,評価基準が異なるために,たとえ同じグレード(AならA)を取ったとしても,到達した英語力にかなりの差異が見られる」(茨城大英語教育改革プロジェクト作業部会2002 cited in 福田2009)
茨城大学の英語教育改革は多岐に及ぶものですが,評価という点に限ってみてみると,評価の前提となる各科目の到達目標をCEFR (common European framework of reference)に準拠させ,「総合英語プログラム」のレベル表示をCEFRのA1,A2,B1_1,B1_2,B2に基づく5段階に定義したことが注目されます。
一般に,英語の成績評価の説明力を向上させるという観点からは,たとえばTOEICの点数で機械的に評価を決めるといった方向がイメージされがちですが,大学英語教育の目的がそもそもTOEICスコアアップと定義されていない場合,こうした評価には本質的な疑問も残ります。これに対し,茨城大学は,CEFRを基準としたうえで,事前・事後のcan-doアンケートなどを多用し,学生の英語力の中身を詳しく分析して評価を行うよう改革を行いました。
茨城大学のカリキュラムでは,入学時のプレースメントテストでレベル分けを行ったうえで,大学の英語教育を通して,各自のCEFRレベルを一段階あげることが目指されています(前掲福田氏論文p.33)。本学における今後の英語科目評価の在り方を考える場合,評価法の改善と,その前提となる科目目標の再定義を連動させた茨城大学の取り組みは非常に参考になるものと言えます。
なお,形は異なりますが,現在では,CEFRを基準とした大学英語教育のカリキュラム・評価法改革は,旧大阪外大,名城大,慶応大学等,東京外大,国士舘大,室蘭工業大など,他の大学にも広がりつつあります。この間の経緯や今後の方向性については,拝田2012の論文において詳しく紹介されています。
茨城大学では,従来の英語教育の見直しを行った中で,下記の問題点を指摘しています。
「例えば同じ英語のICクラスであっても,評価基準が異なるために,たとえ同じグレード(AならA)を取ったとしても,到達した英語力にかなりの差異が見られる」(茨城大英語教育改革プロジェクト作業部会2002 cited in 福田2009)
茨城大学の英語教育改革は多岐に及ぶものですが,評価という点に限ってみてみると,評価の前提となる各科目の到達目標をCEFR (common European framework of reference)に準拠させ,「総合英語プログラム」のレベル表示をCEFRのA1,A2,B1_1,B1_2,B2に基づく5段階に定義したことが注目されます。
一般に,英語の成績評価の説明力を向上させるという観点からは,たとえばTOEICの点数で機械的に評価を決めるといった方向がイメージされがちですが,大学英語教育の目的がそもそもTOEICスコアアップと定義されていない場合,こうした評価には本質的な疑問も残ります。これに対し,茨城大学は,CEFRを基準としたうえで,事前・事後のcan-doアンケートなどを多用し,学生の英語力の中身を詳しく分析して評価を行うよう改革を行いました。
茨城大学のカリキュラムでは,入学時のプレースメントテストでレベル分けを行ったうえで,大学の英語教育を通して,各自のCEFRレベルを一段階あげることが目指されています(前掲福田氏論文p.33)。本学における今後の英語科目評価の在り方を考える場合,評価法の改善と,その前提となる科目目標の再定義を連動させた茨城大学の取り組みは非常に参考になるものと言えます。
なお,形は異なりますが,現在では,CEFRを基準とした大学英語教育のカリキュラム・評価法改革は,旧大阪外大,名城大,慶応大学等,東京外大,国士舘大,室蘭工業大など,他の大学にも広がりつつあります。この間の経緯や今後の方向性については,拝田2012の論文において詳しく紹介されています。
登録:
投稿 (Atom)