2022年12月2日金曜日

2022.12.2 第32回外国語教育セミナー(ピアレビュー:コロナ後の外国語教育を考える)

大学教育推進機構国際コミュニケーションセンターでは、2022年度の外国語教育セミナーとして、所属教員による外国語授業を紹介する「ピアレビュー2022:コロナ後の外国語教育を考える」を開催いたします。

海外留学がむつかしくなったことによる国内での代替の研修機会の模索、対面授業を補完する新しい遠隔授業の模索など、コロナ禍をきっかけとして、大学の外国語教育が大きく変化しつつある中、参加者の皆様とともに、今後の大学外国語教育の方向性を考える機会にできればと存じます。

このイベントは、学内外に公開されていますので、多数の皆様の聴講をお待ちしています。

鶴甲第1キャンパス

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神戸大学大学教育推進機構国際コミュニケーションセンター
第32回外国語教育セミナー(外国語教育ピアレビュー2022:コロナ後の外国語教育を考える)

日時 2022年12月2日(金)10:35~12:10(※時間帯が変更される可能性があります)
場所 Zoom
参加申し込み こちらから登録ください。開始日の前日にZoomのURLをお送りします。
参加資格 特になし(ご関心のある方であれば学内外を問わず参加いただけます)

プログラム

1035 Zoom 開室
開会あいさつ 柏木治美(国際コミュニケーションセンター長)

1040~1100 第1報告
木原 恵美子准教授(Research Map) 「Academic English Literacy ー文献調査とアカデミックライティングー 」

※学生関連の画像部分はすべて匿名処理加工済みです(以下同)

(概要:文責石川)
アカデミックライティングを指導の中心に据え、学術文献の選定・調査・分析から本格的な英文リサーチレポートの作成にまでつなげる授業実践を報告いただきました。ライティング指導部分だけでなく、BEEFのフォーラム機能を活用した学生間インタラクションの活性化など、大変参考になる点が多い授業でした。

1100~1120 第2報告
Tim Greer教授(Research Map) 「Experiencing the world from within Japan: Advanced English(海外研修)2022」


(概要:文責石川)
自由選択制の「アドバンスト(海外研修)」授業の実践を報告いただきました。このクラスは、学内での留学準備指導を受けた後で夏季休暇期間にワシントン大学に赴き、現地で短期研修を受けるという内容でしたが、コロナ禍で学生派遣ができなくなっていました。そこで、担当者の工夫のもと、東京グルーバルゲートウェイで新しいプログラムを開発し、学内指導+東京での国内研修という新しい形で実現にこぎつけたものです。国内で行う海外研修というのは新しい方向性で、大変参考になるものでした。


1120~1140 第3報告
芹澤 円助教(Research Map) 「ドイツ語の授業実践-初級コミュニケーションクラスを例に」

(概要:文責石川)
ドイツ語には文法中心のクラスとコミュニケーション中心のクラスがありますが、後者のクラスの授業実践について報告をいただきました。未修外国語の場合、覚えることが多く、トレーニング的な内容が増える場合が多いのですが、この授業では、たとえばドイツ語の未知語の意味を既存の英語知識を使って推測するタスクを学生に課すなど、学生間のやりとりを促しつつ、ドイツ語や外国語全般への関心を引き出す工夫の凝らされた授業で、大変参考になるものでした。

1140~1200 全体討議
Zoomの「ブレイクアウトルーム」を使い、3つの部屋に分かれ、発表者との質疑、意見交換をしていただきました。

1210 閉会あいさつ 横川博一(外国語第Ⅰ部会長) 


参考(過去のピアレビュー)過去の外国語授業ピアレビュー

2021年度(2021/12/3 報告者:柏木・バーチ・ベレック)

2020年度(2020/9/25 報告者:木原・石川・廣田・朱・安田)

2019年度(2019/12/6 報告者:安田・濱田・石川)

2018年度(2018/12/7 報告者:大和・横川・朱)

2017年度(2017/12/1 報告者:グリア・島津・シュルツ)

2016年度(2016/12/9 報告者:木原・保田・西出)

2015年度(2015/12/4 報告者:柏木・加藤・高橋)

2014年度(2014/12/5 報告者:ワン・石川・廣田)

2013年度(2012/12/6 報告者:横川・ショルト・福岡)

2012年度(2012/12/4 報告者:木原・ピンテール・三木)

2011年度(2011/12/2 報告者:島津・枡田・大和)


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12/2 実施報告

21名の参加があり、盛会でした。参加者のうち、14名の方にアンケートにご回答いただきました。

●参加者属性


●満足度

●ご意見

担当の言語が異なりますが、参考になれる内容が多くて勉強になりました。ありがとうございました。

本日はありがとうございました。勉強になりました。

私は留学生に対して日本語を教えておりますので、英語やドイツ語を日本人学生に対して教える場合とは異なる点もございますが、日本語の授業に取り入れられることもあると思いますので、今後の授業に活かせればと思います。

外国語教育はもちろんのこと、そのほかの授業でも応用できそうな有益な情報ばかりでした。ありがとうございました。

アカデミックライティングの授業ということでしたが、たくさんのインプットの課題を学生に与えられ、実証的な裏付けのあるライティングをさせておられるということで大変勉強になりました。/TGGのついてはアカデミックな内容にも対応しているということでとても参考になりました。プレゼンの動画作成も編集の技術が必要で、学生のニーズにマッチしていると思いました。/初級ドイツ語の授業ということで、写真を活用され、実践的に基礎力が伸ばせるように工夫されており、自分が大昔に受けた第二外国語の授業も、このような形だったらもう少し身についたと思います。

貴重なお話、ありがとうございました。コロナ禍であるからこその授業の特徴が見られたと思います。海外留学や海外研修が難しくなりましたが、国内でも工夫をすれば同じような経験ができることがわかりました。また、その中でTPRといった教授法が取り入れられているのは特徴的だと感じました。ドイツ語の授業での新出単語学習の取り組みに関して、新出単語とその意味をすぐに結びつけて暗記してしまうイメージを持っているため、言語の類似点(英語とドイツ語)を利用した工夫は興味深かったです。また、CEFRの複言語主義や学習者の複言語能力を活用した方法だと思います。